親の願いや期待から、子どもには色々な習い事をさせたいと思う方もいると思います。
「そろそろ習い事をはじめようかな?」と思い、調べてみると、世の中には実にたくさんの習い事があることに驚き、選び方に悩む方も多いのではないでしょうか。子どものために将来役に立つ習い事をさせたいと思うものの、どうやって選ぶべきなのか、いつから始めるべきなのか、選ぶポイントにも悩みますよね。そこで、今回はランキングでも人気の習い事をピックアップし、アンケート調査を元にそれぞれのメリット・デメリットや、予算の参考になる月謝の金額や相場などをご紹介します。
習い事のメリットは?
習い事をするメリットには次のようなものが挙げられます。
・学力や体力の向上、感性を磨く機会が増える
くもんやそろばんなど学習系の習い事では問題を解くことで学力の向上を、水泳や体操などスポーツ系の習い事では体を動かし学ぶことが体力の向上にもつながります。また、ピアノや絵画教室など芸術系の習い事では、音楽的な感性や芸術的な感性を磨く機会が増えます。家庭や幼稚園・保育園や学校では学ぶ機会が少ない科目も、習い事をすれば子どもの成長機会に繋がりやすくなるでしょう。
・幼稚園・保育園や学校以外での友達が増える
子どもの頃に多くの人と触れ合い、人間関係を学んでいくことはとても大切です。習い事をする中で、学び合う姿勢や、学習のモチベーションにつながるような友達もできるかもしれません。同じ教室で学び、切磋琢磨した友人は、大人になってもかけがえのない存在です。友達を増やす機会が増えることも習い事のメリットと言えます。
・プロに教わることで親から教えられる以上のことが学べる
子どもには幅広い学びの場を与えてやりたいと思う一方で、家庭内で学習機会を充実させるには、教える親の時間確保や学習環境の整備も必要です。教える為の専門的な知識を持った先生から学ぶことで、子どもがスムーズに理解し、より理解度が深まり、成長スピードが早まることもあるでしょう。また、スポーツ系や芸術的な習い事では、その道のプロに学び夢中になり視野が広がるなど、子どもの才能が開花することもあります。思いっきり体を動かせる環境や、遠慮なしに大きな音を出しても良い場所で、のびのびと学べることは子どもにとっても貴重な機会となるでしょう。
習い事のデメリットは?
習い事をするメリットには次のようなものが挙げられます。
・友達と遊ぶ時間が減る
子どもにとって、友達と遊ぶ時間はとても大切です。遊ぶことを通して、様々な学習の原体験となる基礎がつくられ、想像力・感情表現を磨いていきます。子どもが自分の興味の赴くままにじっくりと遊ぶ時間がとれないほど、習い事の時間を増やしてしまうことは、子どもの健やかな心身の成長の妨げともなり得ます。習い事をする場合は、子どもが遊ぶ時間に満足できているか、何曜日の何時からは遊ぶなど、習い事とのメリハリを意識し、本人の意思も確認しましょう。
・家庭で過ごす時間が減る
習い事をすることで、家庭外で過ごす時間が増え、習い事を始める前に比べると家庭で過ごす機会が減る場合が多いでしょう。それによってコミュニケーション不足になり、子どもが寂しさを感じていないかは注意して観察する必要があります。家庭は子どもにとって生活の基礎となる場所です。基礎が不安定になると、いくら習い事をしていても、子どもの気持ちの充実や成長につながりません。楽しい家族団欒の時間が確保できないほど、練習や宿題、送迎などにも時間を奪われていませんか?子どもが安心して学習し、成長していくには、礼儀や作法を家庭で学ぶ基礎環境も大切です。毎日の子どもとのコミュニケーションの機会を十分確保できているか、何かサインを発していないかしっかりチェックしながら、子どもになるべく無理させないように見守りましょう。
・子どもの成長につながらない場合もある
近年、早期教育がうたわれる機会が増えたこともあり、未就学児のうちから複数の習い事をさせることも珍しくなくなりました。有名なアスリートの幼少期のエピソードとして3際の頃から5つ以上習い事をしていたことが取り上げられたりもしています。そんな話を聞くと、子どもの将来への期待から何個も習い事をさせた方がいいのでは?と思うこともあるでしょう。しかし、まだ意思もはっきり伝えられない幼少期のうちから、たくさんの習い事をすると、子どもの自主性を奪ってしまうことにも繋がりかねません。また、幼少期に時間とお金をかけて勉強した内容も、一定の年齢に達すればすぐに学べることもあります。習い事を検討する際は、必ずしも子どもの成長につながるわけではないということも考え、年齢や場合によっては「習い事を何もしない」という選択肢もあることも頭に入れておきましょう。
小学生に習い事は必要?いくつ習わせる?
ここでは小学生を例に、習い事が必要か、いくつ習わせるべきかについて調査結果を元に考えてみましょう。文部科学省による習い事に関する調査(※)では次の2点の傾向があげられます。
・約8割の小学生が何らかの学習活動をしている
・そのうち約4割が複数をかけもちしている
上記から、1つ以上は習い事をしている子どもは約8割いるということがわかります。現代においては、課外での学習機会を与えている家庭が大半の割合を占めており、加えて、複数掛け持ちして学ばせることも、決して珍しいことではないのです。逆に言えば、何も習い事をしてない子どもの方が、今や少数派ともいえるのです。子どものやる気さえあれば、複数の習い事をして課外での学習時間を充実させることは十分に有益なことであるといえるでしょう。また、習い事の方法としても、通信添削による指導割合は、小低学年で2割を超える結果となっています。平日はスケジュールの都合で習い事への送迎時間がとれないような場合でも、通信教育やオンライン教育を利用することで学習を補填することも可能ですね。親の送り迎えの負担も軽減されますので、複数の習い事のうち決まった曜日や週何回かだけは通信教育を利用するなども、親子が無理しない範囲で続けていくには有効です。
<※参考データ>
子どものの学校外での学習活動に関する実態調査報告」 平成20年 文部科学省
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/20/08/__icsFiles/afieldfile/2009/03/23/1196664.pdf
習い事にかける費用は?
では、実際に習い事にかける平均費用はどのくらいなのでしょうか?家計に与える影響についても気になるところですね。
文部科学省による子供の学習費調査によると、1年間での子供一人辺りの学校外活動費は公立で13.5万円、私立で30.9万円となっています。
公立では月に1万円前後、私立では月に2万円弱の出費が平均的なようです。この公立と私立での習い事の費用に2倍近くの差がみられるのは、親の経済状況や子どもの放課時間の過ごし方に対しての意識の差なども関係あるかもしれませんね。例えば、学校で仲の良い友達が放課後に習い事をしているのを見て、自分も習い事をしたいという子どもいることでしょう。子どもが普段すごす生活環境によっても、習いごとの種類は変わりますので、費用もそれに応じて幅があると考えると良いでしょう。
<参考>
「平成28年度 子供の学習費調査」文部科学省
保護者が支出した1年間・子供一人当たりの学校外活動費(体験活動や習い事等のため
の支出(用具購入費を含む))
公立:13.5万円
私立:30.9万円
スイミング
スイミングは男の子女の子ともに人気の運動系の習い事です。子どもをスイミングスクールに通わせるメリットには次のようなものが挙げられます。
・体力向上につながる
水中での全身運動をすることで、短時間で効率的に体力を向上させることができます。
・楽しみの幅が広がり、役に立つ
休みの日に家族でマリンスポーツを楽しめるだけでなく、いざという時に泳げるというのは人命救助の点においても親としては安心ですね。
・低年齢から始められる
はやいところだと、生後4ヶ月から親子スイミングスクールに通うことができます。お腹の中にいた頃の水中感覚を、早くから慣れ親しみ、楽しく体力向上に繋げることができるので、男女問わず人気の高い習い事でもあるのでしょう。
・夜の寝つきが良くなる
エネルギー消費が比較的大きいスポーツでもあるので、スイミングの日は夜の寝つきが良くなる効果もあります。
他のスポーツに比べて、怪我をしにくいという特徴もありますので、なるべく怪我の心配なく体力は向上させたいという思いを持つ方におすすめです。
英語・英会話
国際化が進む現代において、将来のために英語を話せるようになってほしいと思う親御さんは多いのではないでしょうか。
子どもを英語教室や英会話スクールに通わせるメリットには次のようなものが挙げられます。
・英語に慣れ親しむことで英語のままで聞き取る力を鍛えることができる
幼少期の耳が敏感な時期に英語をたくさん聴くことで、英語脳、英語耳といった英語そのもので聴く力を養うことができるといわれています。
・情報量が増え、視野が広がる
世界共通語とも言われる英語を学ぶことで、様々な国の人や情報にアクセスできるようになります。情報量が増えることは、子どもの視野を広げ、将来における人生選択の幅を広げる助けにもなるでしょう。
・協調性やコミュニケーション能力の向上につながる
英語で話すことは、意見や主張を明確にして話すトレーニングにもなります。国際的なコミュニケーション能力を鍛えることもできます。
将来に備え、国際社会に対応できるよう役に立つ習い事をさせたいと思う方におすすめです。
学習塾
もっともポピュラーな習い事ともいえるのが学習塾です。
子どもを学習塾に通わせるメリットには次のようなものが挙げられます。
・学習課題を克服することができる
学校での学習でつまづきやすい点を重点的に学ぶことで、苦手意識をもたないようにするとともに、弱点教科の克服に役立ちます。
・切磋琢磨するライバルや友だちができる
ともに学び、テストなどの機会が増えることで意欲的な学習のモチベーションにつながるようなライバルや友だちができます。
・集中して子どものレベルに合わせた学習ができる
落ち着いて、じっくりとていねいな個人指導を受けることで、各々のレベルに応じた学習が可能です。
学びのコツを習得することで、学習の楽しさや、達成感を感じてほしいと思う方におすすめです。
習字
綺麗な字を書けるだけでなく、他の効果も改めて注目されている習字。
子どもを習字教室に通わせるメリットには次のようなものが挙げられます。
・綺麗な字が身に付く
ひらがなや漢字を学ぶ段階で、綺麗な字を書くトレーニングができます。
・集中力を鍛えることができる
綺麗な字を書くためには、一定の集中力が必要となります。習字によって美しい字を書く集中力を身につけることで、日頃字を書く時間にも効果がでることでしょう。
・姿勢が良くなる
綺麗な字を書くためには、基本姿勢も重要です。正しい姿勢を身につけることで、学習に取り組む際の基礎づくりともなり、良い相乗効果を期待することができます。
大人になると、自然と身についた字の書き方を直すのは難しいと感じる方も多いのではないでしょうか?幼少期に正しい字の書き方を学び、子どもに一生ものとなる素養を身につけてほしいと思う方におすすめです。
体操
オリンピックで体操選手の華麗な姿を見て憧れ、興味を持った方も多いのではないのでしょうか。
子どもを体操教室に通わせるメリットには次のようなものが挙げられます。
・運動神経の基礎づくりになる
体操は体幹が重要となる競技です。体幹を鍛えることで、運動神経の基礎づくりにつながります。
・バランス感覚や柔軟性向上につながる
バランス感覚や柔軟性を鍛えることで、怪我しにくい身体づくりができるという利点もあります。
・瞬発力や表現力が鍛えられる
体操競技を通して、瞬発力や身体を上手く使う表現力を鍛えるトレーニングになります。
運動神経の基礎づくりや、怪我しにくい体づくりをして欲しいと思う方におすすめです。
ダンス
学校の体育でもダンスが採用され、ダンスを習う子どもは近年増えています。
子どもをダンススクールに通わせるメリットには、次のようなものが挙げられます。
・柔軟性と表現力が身に付く
身体を使って表現するためには、体幹が重要です。身体の使い方を学ぶとともに、柔軟性や表現力を鍛えるトレーニングになるでしょう。
・リズム感覚や集中力が養われる
リズムに合わせて踊る練習を重ねることは、リズム感の体得につながります。また、集団でのパフォーマンスは、高い集中力と協調性を鍛えるトレーニングにもなります。
・度胸と自信がつく
ダンスをしていると多くの人の前でダンスを披露する機会があります。その経験の中で、多くの人に注目されながら踊りきる度胸と自信がついていきます。
楽しみながら子どもに自信や表現力を身につけてほしいと思う方におすすめです。
プログラミング
小学校でもプログラミングが必修化し、今非常に注目度が上がっています。
子どもをプログラミングスクールに通わせるメリットには次のようなものが挙げられます。
・論理的思考が鍛えられる
プログラミングによってゲームやロボットを作る体験を通し、物事を論理的に考える力が鍛えられます。論理的思考が身に付くと、親子でのコミュニケーションの助けになるだけでなく、世の中に対しての洞察力や意見を表現する力の強化にもつながります。
・集中力や自主性が身につく
子どもの興味にあったスクールを選ぶことで、夢中になって学んでいくうちに集中力が鍛えられ、子どもが自主的に主体的に学んでいくトレーニングの場になります。
・IT知識が身に付く
今後必須となるIT知識やデジタルデバイスにも、幼い頃から慣れ親しむことができるのは利点です。新しく進化していく流れを上手く乗りこなし活用する素養が身につきます。
子どもに遊びの延長線上で自主的に学んでいってほしい、論理的思考力をつけてほしいと思う方におすすめです。
武道
世代を問わず親しまれている日本古来の武道も魅力的なスポーツです。
子どもを武道教室に通わせるメリットには次のようなものが挙げられます。
・礼儀作法が身に付く
武道では礼儀作法が重んじられます。人格形成の素地となるような厳格な礼儀作法を幼いうちから身に付けることができます。
・集中力の向上
一挙手一動で勝敗が決まる競技でもある武道の世界では、高い集中力が求められます。練習を重ねるうちに集中力の向上につながります。
・競争心が鍛えられる
勝敗が明確な競技ですので、自然と競争心が鍛えられます。
・護身にもなる
特に女子をお持ちの親御さんなどは護身になるのも大きなメリットですね。
将来のためにも礼儀作法を重んじ、集中力を鍛えながら、いざというときの備えとなる習い事をさせたいと思う方におすすめです。